2006年
6月号

  通算39回目になる執行会議は、前回と同様の雨の中、6月15日に開催されました。まず、6月7日に開催された21世紀COEプログラム拠点リーダー連絡会議の報告がありました。ポスト21世紀COEプログラムとして、先端的研究推進のための新しい人材育成のプラグラムが実施されることについては、これまでにも報告したとおりですが、新プログラムでは、現在の254拠点の数を150程度に絞ることになりそうだとのこと、また、早ければ今年の12月頃には募集が始まるということです。それを受けて京都大学では、6月末までに各部局の意向調査を行い、8月末に申請を予定している拠点からの受付をおこなう。それから学内の調整をおこなうとのことでした。

  成果等推進部会の小杉教授からは、先に出版された「アラビア語原典資料集」についての紹介がありました。これは、8−20世紀にアラビア語で書かれた政治思想に関する論文を精選したもので、近く、本拠点のHPでもその内容が紹介される予定だいうことです。またネットワーク部会からは、改修された工学部4号館の研究科施設を使って、9月29日(金)に「ネットワーク型地域研究の成果と展望」("Inter-networking in area studies: results and foresights")というタイトルでワークショップが開催されることが報告されました。内容は、前回報告の通り、GIS等の手法による地域研究の推進や各種データベース・プロジェクトの成果の報告、それに、京都とホーチミンを結んでおこなうビデオ会議やパネルディスカッションなどを予定しているということです。さらに、11月の京都シンポについて実行委員会の高田助手から、合計44名のポスター・セッション発表者が確定したこと、メイン・パネル、ポスター・セッション、サテライト・ワークショップのそれぞれについて執筆要項を作成し、各発表者に送付したことが報告されました。サテライト・ワークショップ発表者は要旨のみの提出が求められており、締め切りは7月31日。メイン・パネルおよびポスター・セッションはフルペーパーを提出することになっており、英語ネイティブ以外の発表者は7月31日が締め切り(英語ネイティブは8月31日が締め切り)ということです。発表者の中には、「アジア・アフリカ地域研究」の大学院生特集号の執筆をも希望している者があり、そういう人にはかなりの負担になると思いますが、京都シンポジウムの成功のために是非とも奮闘して期限内の提出をおねがいしたいと思います。また、シンポジウムのプロシーディングにはISBN番号を申請することが確認されました。

  広報部会の高田助手からは、HPの更新状況が報告され、最終年度の事業・活動についての情報を年度内にHPに掲載するためにはこれまで以上に人力が必要なことが訴えられました。そのためには経費が必要ですが、きわめて困難な今年度の財政事情のなかで、とりあえずは可能な限り予算の効率的使用と節約に努めることが確認されました。また図書委員会からは、プログラム終了後の図書の管理替えに備えて、図書館の在庫管理やラベルの張替え準備などのための予算措置の要求がありましたが、いずれも必要な経費として了承されました。また、21世紀COEプログラムの図書整理にあたっている木下さんが今後の引き継ぎなどのためにASAFAS図書委員会の会議に参加することも了承されました。このほか、先に本プログラムの成果の一部として出版された「京大式フィールドワーク」の紹介と著者割引価格での販売についてのアナウンスがありました。

  議題では、まず、成果等推進部会による助成について諮られ、地域情報学関係のシンポジウム経費、映像人類学のサテライト・ワークショップ関係の出版助成、タンザニアFSの成果刊行費、ザンビアFSの成果刊行費などに対する助成が認められました。また、昨年10月に本プログラム及びアジア・アフリカ地域研究研究科が中心になってバンコクで開催された京都大学シンポジウムにおいて特別講演をしていただいたニティ先生の原稿(タイ語)の英訳に関する経費も認められました。この講演録の公開方法については、同じシンポジウムで講演していただいた石井先生の講演録とあわせて今後検討することになりました。最後に、7月1日付けで新規採用されるアフリカ地域研究専攻の丸山淳子助手の役割については、当面、京都シンポの実行委員に加わってもらうことが承認されました。最終年度になりましたが、新しく入った若い力に期待したいと思います。 (文責=市川)

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