報告
渡航期間: 2004年3月17日〜2004年3月25日    派遣国: インドネシア
  出張目的
  インドネシアにおけるフィールド・ステーション連携国際ワークショップの準備と参加
  長津一史 (大学院アジア・アフリカ地域研究研究科・東南アジア地域研究専攻)

 

  活動記録
  3月17日(水)
  • 関空発 − ジャカルタ着
      3月18日(木)〜3月19日(金)
  • インドネシア科学院(Indonesian Institute of Sciences: LIPI)人口研究所(Research Center for Population)にて、Dr. Aswatini氏らとフィールド・ステーション連携国際ワークショップ開催のための打合せ
      3月20日(土)
  • ワークショップの準備作業
      3月21日(日)
  • 東南アジア研究所・ジャカルタ連絡事務所にて、ワークショップのレセプション
       
  • ボゴル農科大学(IPB)のSupiandi Sabiham教授、国立調査地図作成調整局(BAKOSURTANAL)のDr. Aris Poniman氏らとワークショップおよび研究協力に関する打合せ
      3月22日(月)
  • ワークショップの準備作業
      3月23日(火)
  • フィールド・ステーション連携国際ワークショップ
      3月24日(水)〜3月25日(木)
  • ジャカルタ − 関空着

     

      結果と進捗状況
     
    (1)フィールド・ステーション連携国際ワークショップ
      ASAFAS教官の杉島敬志とともに、ジャカルタのインドネシア科学院(LIPI)においてフィールド・ステーション連携国際ワークショップを準備、開催した。ワークショップはボゴル・フィールド・ステーションおよびバンギ(マレーシア)フィールド・ステーションの連携活動であり、ASAFAS、CSEASと、LIPI、ボゴル農科大学(IPB)、インドネシア国立調査地図作成調整局(BAKOSURTANAL)との共催でおこなわれた。杉島が午前のセッション“The Micrology of Indonesian Local Societies”を、長津が午後のセッション“Everyday Life and Policing in the Wallacean World”を統括した。二つのセッションにおいて、ASAFAS、CSEASの教官7人とASAFAS院生1人を含む、17人が研究成果を発表した。政治経済研究基金The Society for Political and Economy Study Foundation所長のDr. Ignas Kleden氏と、LIPI社会文化研究所Center for Social and Cultural Studies研究員のDr. John Haba氏がモデレータを務めた。午前のセッションの報告者は、スハルト政権崩壊後の地方分権化時代におけるインドネシア諸地域の変化を主に人類学的視点から検討した。午後のセッションの報告者は、ウォーラセア海域世界における人、モノ、情報の移動と国家による領域支配との動態的関係を、歴史学、人類学、生態学、言語学などの立場から論じた。これまでインドネシア調査に際してカウンターパートを務めてもらってきたインドネシア人研究者を前に成果報告をし、かれらから積極的なコメントを受けたことは意義深いことであった。院生の報告者である河野元子(平成11年度入学)は、博士論文の一章となる部分を報告し、LIPIの研究者などから有益な質問とコメントを受けた。ワークショップの趣意書とプログラムは、以下のページを参照。
    http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/english/efsws/2004_indonesia/e20040323.html(英語)
    http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/fsws/2004_Indonesia/20040323.html(日本語)
    (2)ボゴル・フィールド・ステーションへの協力依頼
      連携ワークショップのレセプションの際、ボゴル・フィールド・ステーションのカウンターパートであるボゴル農科大学のDr. Supiandi Sabiham教授と、ボゴル・フィールド・ステーションの運営に関する話合いをおこなった。ボゴル・フィールド・ステーションを拠点として臨地調査をおこなうASAFAS院生に対し、実験機材や図書館の利用、資料保管などの面での便宜供与を継続してもらうことを確認すると同時に、2005年度に開催を予定しているボゴル農科大学での21世紀COE国際ワークショップへの協力を依頼した。また、インドネシア国立調査地図作成調整局(BAKOSURTANAL)のDr. Aris Poniman氏からは、ボゴル・フィールド・ステーションに準備された電子地図(スマトラ、フローレス)の使用に関する技術的な面での指導を受けた。

     

      今後の課題
        今回のワークショップはLIPIの全面的な支援を得て、LIPIのメイン会議場であるAuditorioum Widya Grahaを会場としておこなわれた。今後はこうした規模の大きなワークショップのみならず、テーマを絞ったより小規模なセミナー等を開催していく必要があるだろう。

     

     
    1. 杉島敬志(ASAFAS教官)氏の報告   2. 田中耕司(CSEAS所長)氏によるConcluding Remarks
     
    3. Dr. Ignas Kleden氏によるConcluding Remarks   4. モデレータのDr. John Haba氏
     
    5. 長津一史(ASAFAS教官)の報告   6. 河野元子(ASAFAS院生)氏の報告
    7. 総選挙前のジャカルタ
     
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