2004年
9月号

  「執行会議だより」が始まったのが昨年の9月、「 IAS-INFOM メールマガジン」が始まったのが同年 10月ということで、今月で一周年となりました。

  夏休み後の最初の執行会議が9月21日にありました。この週には 東南アジア研究所(CSEAS) の教授会、その前の週には アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)の教授会がありましたから、いよいよ夏休みから学事業務再開へとギアのシフトです。

  会議では、まず、来月末に迫った大学院生ワークショップについての報告がありました。院生と若手教員から構成される ワークショップ(WS)企画グループは夏休み中も作業を続けてきましたが、ワークショップの具体的内容が固まった旨、報告されました。総合タイトルは、京都ワークショップ「フィールドワークから紡ぎだす ― 発見と分析のプロセス ― 」です。一般的にこれまで、フィールドワークの「成果」は語られても、フィールドワークの「実態」が語られることはあまりありませんでした。このワークショップでは、フィールドワークから最近戻り、現在研究をまとめつつある大学院生、若手研究者17名が、フィールドワークのあり方、可能性、限界などについて、特別セッションを含む 7つのセッションで議論する、というものです。ワークショップの特徴は、院生・若手研究者が自らのフィールドワークにおいて直面した惑い、疑問、問題意識を踏まえて企画したものであること、そして、「お説拝聴」「経験談拝聴」ではなく、京大内外からのセッション参加者間の意見交換、討論を重視する内容になっていることです。

  詳細については、http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/fsws/2004_kyoto/20041030.html を見てください。佐藤郁哉氏(一橋大教授)、松田素二氏(京大教授)の特別講演も予定されています。

  フィールド・ステーション(FS)部門からは、今年度後期学生FS派遣への応募結果ならびに今後の選考過程について報告がありました。 10月5日のFS全体会議で最終選考が行なわれること、ついてはその結果は追認という形で10月21日の執行会議で認めてもらいたいことが提案され、承認されました。予算的には、当初予算への追加を考える必要はない見通しということで、事務局は胸を撫で下ろしました。

  ネットワーク部会からは、グループウェアASCOMにかかわる作業状況が順調であり、近々に説明会を開催すること、そして英語版メルマガが今月中にも発行されることが報告されました。後者については、配信形態等、日本語版にはない困難があるとのことで、この実現にいたるまでのネットワーク部会の苦労が慮られます。

  広報委員会からは、夏休み中もホームページ関連作業が継続されてきた様子が報告されました。種々の情報のアップロード、リンク集の設定、新たな情報提供の枠組みの検討、など。もっとも重要な作業は、日本語版トップページ表紙の全面改訂です。これまでのホームページの内容は、わたしたち21世紀COE プログラムの活動紹介が中心でした。今後の課題は、このホームページが平成 18(2006)年度のプログラム終了とともにその任務を終えるのではなく、これが ASAFAS 、 CSEAS の将来と繋がるようにするためには、どのようにしたらよいのか、ということです。近いうちに仮更新されるトップページは、フィールドワークに関心のある人がページを繰ってみたくなるような、そうしたページ作りをコンセプトにしたということです。どのようなページになるのか、今から見るのが楽しみです。

  今月の会議の主たる議題は2つでした。ひとつは、7月の執行会議で議論された、東南アジア関連図書購入からプログラムに返還された655万円の用途です。いろいろな議論の末、東南アジア関係の追加図書収集活動、南アジア関係資料の収集、アラビア語定期刊行物データ・ベースの作成に使用されることになりました。また、ヴェトナムFSから要請のあった、ヴェトナム海藻図鑑作成も支援することになりました。残額が 55万円ありますが、これは事務局の予備費に組み込まれます。

  来年度の国際シンポジウムについても報告があり、了承されました。当初インドネシアでの開催が計画されていましたが、夏休みを通じて新ワーキング・グループ(WG)の結成とその活動があり、タイでの開催ということで計画書を作成し、京都大学のファンドに申請することになったということで、この計画は執行会議でも了承されました。現時点の計画としては来年11月12日〜 13日の開催で、場所はバンコクを予定しています。申請の採否結果は11月だそうで、その結果を見て、今後のWGの活動日程が決まってきます。なにかと大変ですが、WGのみなさんにはよろしくお願いします。

  というわけで、夏休み中もかなりのプログラム・メンバーは忙しい思いをしたようです。ひとつだけ幸いだったのは、中間評価ヒアリングに問題のあったプログラムに対しては、夏休み中に学振から視察があるかもしれないということでしたが、わたしたちのプログラムにはそれがなかったことです。(文責=加藤)

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