研究者紹介

西崎伸子

Nobuko Nishizaki
福島大学行政政策学類・助教授

研究テーマと関心領域

アフリカの野生動物保護と地域の人々の暮らしの関係について、エチオピアの自然保護区をフィールドとした実証研究。


調査の概要

1999年9-12月:

エチオピアのセンケレサンクチュアリにおいてフィールドワーク。サンクチュアリには、固有種のswayney's hartebeest(アンテロープの一種) が生息しているが、狩猟や生息域の縮小などにより絶滅の危機にある。調査では、周辺民族のアルシ・オロモの人々の資源利用(特に土地利用)について調査をおこない、野生動物保護政策が人々に与えた影響についてフィールドワークをおこなった。

2000年2-9月、2002年8月-2003年1月:

2回にわたって、エチオピアの西南部のマゴ国立公園においてフィールドワーク。国立公園には、象はアフリカンバッファローなどの大型哺乳類が生息する。調査では、周辺民族のアリの人々の公園内の資源利用の調査と、村内の社会関係の調査をおこなった。

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マゴ国立公園の周辺民族アリの子供が弓矢をかまえる。
子供は農作物を鳥から守るために、弓矢を携え1日中畑を監視する。


業績

学術論文:

2001 「人と土地を分かつ自然保護_エチオピア、センケレ・スウェニーズハーテビーストサンクチュアリーと地域住民の関係」『アフリカ研究』, No. 58, pp. 59-73.

2004"Resisting Imposed Wildlife Conservation: Arssi Oromo and the Senkelle Swayne's Hartebeest Sanctuary, Ethiopia", African Study Monographs, Vol. 25, No 2. pp. 61-77.

2004「住民主体の資源管理の形成とその持続のための条件を探る:エチオピア、マゴ国立公園の事例から」『環境社会学研究』10号:89−102.

研究報告:

2000 「センケレ自然保護区における保護政策と地域住民の対応の変化」『JANESニュースレター』, No.9, pp. 11-12.

2002 「野生動物被害の実態と対処:エチオピア、マゴ国立公園に隣接するクレ村の事例」『生態人類学会ニュースレター』, No.8, pp. 2-4.

学術発表:

「センケレ自然保護区における保護政策と地域住民の対応の変化」日本ナイル・エチオピア学会第8回学術大会, 長崎大学, 1999年7月.

「アフリカにおける住民主体の環境保全政策の構築」トヨタ財団若手研究者の会「人の営みと環境」, 京都私学会館, 2001年1月.

「野生動物被害の実態と対処:エチオピアマゴ国立公園に隣接するクレ村の事例」生態人類学会第7回学術大会, 御殿場市, 2002年3月.

「エチオピアの野生動物保護:政策と現場の乖離」日本ナイル・エチオピア学会 第11回学術大会, 岩手県前沢町立「牛の博物館」, 2002年4月.

「自然保護区を囲い込む地域住民:エチオピアのセンケレ自然保護区におけるアルシ・オロモによる土地・資源利用−」日本アフリカ学会学術大会第39回学術大会, 東北大学, 2002年5月.

「アフリカの野生動物保護における合意形成:エチオピアの事例」第28回環境社会学セミナー, 京都精華大学, 2003年12月.

The Role of Community in Wildlife Conservation: Natural Resource Use and Management by Ari people neighboring to Mago National Park, 15th International Conference of Ethiopian Studies, Hamburg University (Germany), July 2003.

How Local People Take Different Attitudes toward Conservation Policy: A case of Mago National Park, Ethiopia, 21th Century COE International Workshop on Integrated Area Studies, Addis Ababa University (Ethiopia), October 2003.

「野生動物保護に対する地域住民の意識変容:エチオピア西南部における「鳥獣害」をめぐって」日本アフリカ学会学術大会第42回学術大会, 東京外国語大学, 2005年5月.

紀要等:

「中山間地域におけるグリーンツーリズムのあり方についての一考察−長野県浪合村の地域開発を事例に」, 筑波大学大学院環境科学研究科修士論文, 1996年3月.

「地域住民から見た自然保護区:エチオピア、センケレ・スウェニーズハーテビーストサンクチュアリーを事例にして」京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士予備論文(修士論文相当), 2001年2月.

「エチオピアの野生動物保護におけるコミュニティ・コンサベーションの形成」京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士論文、2004年12月.

職歴・社会活動

青年海外協力隊(1996年7月〜1998年8月)派遣国:エチオピア;職種:生態学(環境教育)