(1)大学院生の派遣とオンサイト・エデュケーション 大学院アジア・アフリカ地域研究研究科在籍の予備論文修了者(博士後期課程相当)を、アジア・アフリカ各地に設けられたフィールド・ステーションに派遣し、その周辺における地域研究のフィールドワークを中心としたオンサイト・エデュケーションを実施した。派遣学生は、所定の応募様式(申請書)による研究科内公募にもとづいて審査をおこない、選抜した。支給対象は旅費(滞在費)の一部とし、その額は派遣地域の実情に応じて月額10-20万円の範囲で決定した。これまでの2年間に延べ52人の大学院生をアジア・アフリカ各地のFSに派遣した(詳細については、フィールド・ステーション部門の派遣者リストおよびフィールドワーク報告を参照)。 なお、オンサイト・エデュケーションのためには教員も延べ27人派遣しているが、科学研究費補助金〈国際学術〉等による渡航時に臨地教育に従事する教員も多く、当プログラムの支援だけがオンサイト・エデュケーションに向けての教員派遣の全容を示しているわけではない。
(2)若手研究者の派遣
博士号取得者もしくはこれと同等の研究能力を有する若手研究者を学内外からの公募によって採用し、主として海外FSにおける臨地研究および臨地教育の補助に従事させた。旅費のほかに、賃金(月額20万円ほど)を支給。削減された予算の執行において、大学院生派遣をより重視したことから、若手研究者の支援は当初計画より縮小せざるをえなかったが、これまでに3名を採用している。このうち、長期に派遣された若手研究者の活動例については、HP中の大西(ミャンマーFS)・生方(ラオスFS)を参照。
(3)若手研究者の採用と国内における研究支援
博士号取得者を対象に、主として、地域研究関係のデータベースおよびメタ・データベースの作成など、「地域研究統合情報化センター」関係の研究開発に従事する若手研究者を1名採用した。助手相当の給与を支給している。
(4)若手研究者・大学院生を中心とする国際ワークショップ、セミナーの開催
エチオピアで開催された国際ワークショップの参加者に対し、旅費(滞在費)の一部(10-20万円)を支給。受給対象者は、研究科内公募により、これまでの研究内容、ワークショップにおける発表予定タイトルなどを審査して選別した。
以上のような、FSおよびそれを支援する「地域研究統合情報化センター」の機能を活用した教育活動により、フィールドワークを中心とする臨地教育の体制が整備されつつある。また、これらの成果として、この2年間に11名(14年度2名、15年度9名)の博士学位取得者(予定)が生まれている。 |