:: 平成16年度 フィールド・ステーション年次報告 | |||||
インドネシア(ボゴール) | |||||
(1)フィールド・ステーションの整備: | |||||
◆ボゴール・フィールド・ステーション(BFS)は2004年月に事務室、会議室、実験室を伴ったオフィスとしてボゴール農科大学内に契約・開設されました。2004年12月には借室契約の1年延長が行われました。スペースや施設は十分にあるのですが、事務機器・実験機器等の整備が遅れています。また、オフィスはボゴール市内から遠く離れたダルマガに位置するため、あまり利用されていません。ASAFAS、CSEASの学生・教員ばかりでなく、日本の他大学の学生・教員にも利用できる場として確保してありますので、活用をしてください。また、MOUを結んでいるCIFOR(国際林業研究センター)は世界の森林に関する資料・情報が収集されているセンターであり、フィールド・ステーションとは近い距離にあります。このセンターの利用もできるようになっています。植物に関してはボゴールの中心地にLIPIのハバリュームがあります。こことの共同研究も行われていますので、3機関の相互利用もフィールド調査には便利です。今後はこれら3機関との連携をはかりながら研究・情報交換の場として、より活用を広めていきたいと考えています。
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東カリマンタンでのプナンのインフォーマントと Licuala sp.(ウチワヤシの仲間)(小泉都) |
サラック・ハリムン国立公園近く調査地(片岡美和) | ||||
サラック・ハリムン国立公園近く水田のあぜに バナナ・ココナッツなどが植えられている調査地 (片岡美和) |
サラック・ハリムン国立公園近く 水田の中にいる鳥の調査地 (片岡美和) |
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リアウ州で泥炭湿地林からパイナップル畑 に転換した場所での土壌呼吸測定 (小林繁男) |
リアウ州の泥炭湿地林で土壌呼吸の計測 (小林繁男) |
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リアウ州の泥炭林から焼き畑にした場所での 土壌温度・PH・土壌呼吸の測定 (小林繁男) |
リアウ州の泥炭湿地林から40年前に ココナッツ林にした場所では泥炭が分解・沈降して マウントの上に植えられたような景観がどこでもみられる (小林繁男) |
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(2)研究活動と共同研究の推進: | |||||
◆ 2004年度の21COEプログラムによる院生の派遣は2名であった。Retno Kusmaningtyas(平成14年度入学)は“Management of National Park Integrated with Surrounding Social System; Study in Tesso Nilo, Riau Province, Sumatra, Indonesia.” という研究課題で、2004年8月から9月の2ヶ月間、Teso Nilo, Riau Province, Sumatra, Indonesia に入り、研究を行った。2004年に設定されたテッソニロ国立公園とその周辺に住む住民との間での自然生態系の保全と社会経済との関係を調査した。伐採会社、人工林、オイルパーム植栽と定住村(ルブッククバンブンガ村:521戸、アイールヒタム村:286戸)との関係では約60%が木材伐採労働に従事していた。自然生態系の保全との葛藤があると思われた。小泉都(平成13年度入学)は「ボルネオの狩猟採集民族プナンの民族植物学」に関して、2004年6月15日〜2005年1月2日にかけて、インドネシア、東カリマンタン、マリナウ、ロング・プジュンガン、ロング・ブラカ村において、プナン・ブナルイの植物に関する民俗知識の収集と証拠標本の採集を行った。この民俗知識の収集の成果から、プナン・ブナルイの植物分類がこれまで研究されてきた狩猟採集民に比べ詳細であること、また利用植物数も豊富であることを示し、これらの特徴を熱帯雨林で生活する狩猟採集民であるという背景と関連づけて理解する論文を執筆した。 ◆片岡美和(平成15年度入学)は「鳥類と住民の生業との相互関係:インドネシア,西ジャワの山間地農村における研究」に関して、インドネシア、ジャワ島、西ジャワ州グヌン・ハリムン−サラック国立公園周辺地域の生業活動に特徴を持つ3農村で行い、住民の土地利用をもとに農村環境を水田、混栽樹林地、草地・低木林地、畑地、茶農園、森林の6つの環境要素に区分した。それぞれの環境要素において2004年の3月〜9月に鳥類センサスを行い、鳥の種名、個体数および行動を記録した。 ◆小林繁男(ASAFAS教員)・生方史数(ASAFAS学振研究員)・嶋村鉄也(京大農学部)・藤本潔(南山大学)は環境省プロジェクト「東南アジア低湿地における温暖化抑制のための土地資源管理オプション」に関して、インドネシア、スマトラ島リアウ州ツルックメランティで、熱帯泥炭林の土地利用転換が泥炭の分解に与える影響を調査した。調査対象地は泥炭湿地林、ゴム園、焼畑、ココナッツ林、パイナップル畑とマングローブ林であった。古川久雄(京大名誉教授)・平松幸三(ASAFAS教員)・竹田晋也(ASAFAS教員)は環境省プロジェクト「東南アジア低湿地における温暖化抑制のための土地資源管理オプション」で、インドネシア、スマトラ島ジャンビ州に入り、硫酸酸性化した泥炭畑において硫酸洗浄を行うことで中性化する実験を行った。 ◆杉島敬志(ASAFAS教員)・阿部健一(国立民族学博物館教員)は科研費「森林とともに住む人々のヒューマンセキュリティーに関する研究」のためCIFORを訪問し、資料収集を行うとともに東チモールにおけるコーヒー栽培の現状とその歴史に関する調査をおこなった。 |
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(3)教員、院生の研究業績: | |||||
◆論文など
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平成16年度 フィールド・ステーション年次報告 |