::
平成16年度 フィールド・ステーション年次報告 |
|
|
西アジア |
|
(1)概要: |
|
|
◆今年度の課題は、エジプト・フィールド・ステーションを発展的に受け継いだ西アジア・フィールド・ステーション活動を軌道に乗せることでした。昨年度までのエジプト・フィールド・ステーション活動によって得られた人的ネットワークと研究手法の蓄積を元に、対象地域をシリアなど他のアラブ諸国やトルコなど西アジア全域に展開することが狙いですが、今年度はこの内、とくにトルコに重点を置いて活動を行いました。 |
|
|
|
|
(2)院生派遣: |
|
|
◆今年度は、本プロジェクトの資金を用いての院生派遣はありませんでしたが、他の資金によって新井一寛(平成13年度入学)、イディリス・ダニシマズ(平成15年度入学)が、それぞれエジプト、トルコにおいて研究調査を行う際、本フィールド・ステーション事業に基づく研究協力提携先の機関・教員から便宜を受けました。 |
|
|
|
|
(3)教員派遣とオンサイト・エデュケーション: |
|
|
◆東長靖は7月から8月にかけて、タンザニアおよびトルコに出張し、フィールド・ステーション運営および国際交流協定推進に関して、トルコのアンカラ大学との話し合いを行いました。また、西アジア・フィールド・ステーション運営に役立てるべく、タンザニア・フィールド・ステーションの運営状況を視察し、情報を収集しました。
◆本研究科の藤井千晶(平成16年度入学)のタンザニアにおける臨地調査が順調に遂行されるべく人的ネットワークを形成するとともに、トルコにおいて現地調査中のイディリス・ダニシマズに対して現地チュートリアルを実施しました。
|
|
|
|
|
(4)今後の計画: |
|
|
◆今年度軌道に乗ったトルコにおけるフィールド・ステーション活動を確立し、さらに充実させることを目指します。また、これまでのノウハウを元に、西アジア全体を視野に入れたより広域的な活動を行えるよう、活動の拡充を図ります。
|
|
|
|
|
(5)国際交流: |
|
|
◆エジプトのカイロ大学との研究・協力関係はますます強固なものとなってきており、カイロ・アメリカ大学との人的ネットワークも緊密な状態で進展しています。
◆トルコ、アンカラ大学との研究協力態勢はほぼ整い、MOUを締結する話し合いが進行中です。マルマラ大学とも緊密な連絡を取り合い、協力関係の強化につとめています。 |
|
|
|
|
(6)業績: |
|
|
◆東長靖
1) 論文など
- TONAGA Yasushi, 2004. The School of Ibn Arabi in Mashriq and Turkey: With Special Reference to Abd al-Karim al-Jili. III Uluslar arasi Mevlana Kongresi/3rd International Mevlana Congress,Konya: Selcuk Universitesi Matbaasi, pp. 315-330.
- 赤堀雅幸・東長靖・堀川徹2005 『イスラームの神秘主義と聖者信仰』東京大学出版会.
- 東長靖2005 「タサウウフ研究の最前線―思想研究の立場から」赤堀雅幸・東長靖・堀川徹編『イスラームの神秘主義と聖者信仰』(イスラーム地域研究叢書第7巻),東京大学出版会,95-114頁所収.
2) 口頭発表
- 東長靖、2004 “Perspectives and Scope of Sufi Studies: How to Define or Not to Define Sufism.” The 13th KAMES & The 5th AFMA International Symposium(2004年10月15-17日,於:韓国プサン外国語大学)におけるフルペーパー,pp. 1-8.
- 東長靖、2005 「イスラームの神秘主義と聖者信仰―イスラーム学の伝統のなかで」2004年度第3期中東理解講座「スーフィー・聖者・精霊の世界―民衆のイスラーム」(国際交流基金主催)2005年1月19日(於国際文化会館講堂)。
◆小杉泰
1) 論文など
- KOSUGI Y, 2004 Mudawwana Sahafa Lubnan (アラビア語『レバノン定期刊行物カタログ』)(Kyoto: 21st Century COE of Integrated Area Studies, Kyoto University, , co-editor), [A]
- 小杉泰2004 「第一章 総論」『GCC諸国と民主主義』財団法人日本国際問題研究所, 1-13頁所収.
- 小杉泰2004 「イスラム世界の動向とアジアの共生」『解はひとつではない:グローバリゼーションを超えて』(福原義春ほか編)慶應義塾大学出版会, 260〜269頁所収.
- 小杉泰2004 「現代イスラーム法における解釈の革新」『戦争装置としての国家』(比較法史学会編)比較法制研究所, 194〜216頁所収.
- 小杉泰2004 監訳『イスラーム−この1冊でイスラームのすべてが見える』(ポール・ランディ著)ネコ・パブリッシング, 総191頁
- 小杉泰2004 「総論-イスラム過激派の系譜把握のための10の論点」(『イスラーム過激派の系譜』中東調査会
2) 口頭発表
- 小杉泰、2004 「Between the Islamic World and the West: Fusion of Civilizations and
the Role of Japan as a Transformer」“Islam, the West, and the Rest (Towards Multicultural World: Conflict or Reconciliation) International Conference, Makassar, Indonesia
- 小杉泰、2004 「Globalization and Islamic Civilization in the 21st Century:A Japanese Perspective」Syarif Hidayatullah State Islamic University and Embassy of Japan in Indonesia
- 小杉泰、2005 「Politics and Spirituality: Two Faces of the Islamic Revival」第19回国際宗教学宗教史学会議世界大会
◆横田貴之
1) 論文など
- 横田貴之(投稿中)「現代エジプトにおけるイスラーム復興運動の大衆動員―ムスリム同胞団をめぐる一考察」『地域研究』。
- 横田貴之(審査中)『現代エジプトにおける大衆的イスラーム運動―ムスリム同胞団の思想と実践』(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士論文)
2) 口頭発表
◆新井一寛
1) 論文など
- 新井一寛2004 「現代エジプトにおけるタリーカ(スーフィー教団)の実態と活動状況:ジャーズーリーヤ・シャーズィリーヤ教団の事例を通して」『中東学会年報第20号-1』
2) 口頭発表
- 新井一寛、2004 「タリーカ(スーフィー教団)の組織形態とシャイフとの関係についての考察:現代エジプトにおけるティジャーニー教団の事例を中心として」日本中東学会第20回年次大会、2004年5月8日〜9日明治大学
|
|
>> 平成16年度教員・若手研究者の報告
>> 平成16年度大学院生の報告 |
|
平成16年度 フィールド・ステーション年次報告
|インドネシア(ボゴール) |インドネシア(マカッサル)|エチオピア|カメルーン|ケニア|ザンビア|タンザニア
|ベトナム|マレーシア|ミャンマー|ラオス|西アジア|南アジア| |