:: 平成16年度 フィールド・ステーション年次報告
ベトナム
    ベトナムのフィールド・ステーションは諸処の事情により、施設設置・整備ではなく学生派遣を中心に考えることになったという経緯は昨年の年次報告に述べたとおりです。  
  (1)研究活動・共同研究の推進:
    昨年度に引き続きベトナム南部、ニャチャンにあるベトナム国立物質科学研究所ニャチャン支所で筒井功(ASAFAS研修員)がベトナムの海藻・草の生態とその利用に関して、ベトナム中・南部で数ヶ月のフィールドワークを伴う共同研究を行いました。NGHIEM PHOUNG TUYEN(平成14年度第3年次編入学)はハノイ国立大学天然資源環境研究所をカウンターパートとして研究を行いました。高橋麻子(平成14年度入学)もハノイ国立大学をカウンターパートとして研究を行いました。さらに、鈴木伸二(平成12年度入学)も昨年度と同様にハノイ大学マングローブ研究所とともに、エビ養殖とマングローブ林とその場所における生態資源、それらの利用・管理の変容という内容で共同研究を実施しています。  
   
  (2)学生の派遣:
    平成16年7月2日から8月10日まで、NGHIEM PHOUNG TUYENが「Rural-urban (Regional) Integration: The Case of Bao Thang District in the Northern Mountain Region of Vietnam」という研究課題で、また平成17年3月19日から同月31日まで、高橋麻子が「ベトナム・メコン川流域の地下水砒素汚染の現状と対策」という研究課題で現地調査を行うために派遣されました。  
   
  (3)教員の派遣:
   

平成16年度、教員の派遣はありませんでした。

 
   
  (4)研究業績:
   

上述したように、筒井功がベトナム国立物質科学研究所ニャチャン支所と共同研究していま したが、ついにその成果を、平成17年3月、「南ベトナム海藻・草図鑑」という本として発版するに至りました。初版は、21世紀COEプログラムから印刷費に関してその一部を助成いただき、ベトナムの研究諸機関等に配布し、研究成果が地域に還元されます。膨大な量の写真とベトナム語・英語の解説がつき、専門家でも初心者でも使えるように配慮されています。NGHIEM PHOUNG TUYENは今回の派遣で得られた調査結果をふくめて博士論文を執筆し、現在博士号取得申請中です。また、鈴木伸二も引き続き、研究結果をまとめて博士号取得を目指すとともに、その一部を「アジアのエビ養殖と貿易」(成山堂書店)という書物の第6章「ベトナム国のエビ養殖と流通」およびコラム「地域住民の生活を支えるマングローブ林に棲む生物」として公表しました。さらにその他の部分を学術雑誌などに順次公表してゆくために鋭意努力中です。

 
   

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平成16年度 フィールド・ステーション年次報告

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