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平成18年度 フィールド・ステーション年次報告 |
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タンザニア |
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21世紀COEプログラムの最終年度を迎え、タンザニア・フィールド・ステーション(タンザニアFS)では下記のような活動をおこないました。
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(1)概要: |
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◆本年度は、当プログラムで派遣した教員、院生はいませんが、教員3名と院生10名が別の資金でタンザニアへ渡航してFSを利用しました。また、同大学の他研究科ならびに他大学の教員と院生の利用件数は350人・日を超え、タンザニアにおける研究拠点として広く認知されてきています。
◆第6回公開セミナーが6月17日に開かれ、ASAFASの院生・黒崎龍悟が「受け継がれる外来技術―ムビンガ県マテンゴ高地における植林技術の実際」というタイトルで発表しました。セミナーには、JICAタンザニア事務所の職員や専門家、青年海外協力隊員などが多数集まり、農村開発の実情について活発な議論が交わされました。
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(2)フィールド・ステーションの整備と運用: |
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◆タンザニアの電力は、そのほとんどを水力発電に依存していますが、本年度は水不足による昼間の停電が常態化し、通信のためには夜間にインターネットカフェまで行かなければならず、通信拠点としての機能が低下していました。そこで、ISDN接続の電話回線を新たに設置し、FSでの通信機能を回復するとともに安全性を維持しました。
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(3)研究協力体制の維持・推進: |
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◆タンザニアFSの教育研究活動は、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科とのあいだに研究交流協定を締結しているソコイネ農業大学との協力関係のもと、同大学の地域開発センターと緊密な連携をとりながら共同研究を実施しています。また、平成18年11月9〜13日に京都で開催された当プログラム主催の国際シンポジウム「総合的地域研究の新地平:アジア・アフリカからディシプリンを架橋する」には、ソコイネ農業大学の共同研究者であるStephen J. Nindi博士をメイン・パネラーとして招待し、共同研究の最新の成果を発表してもらいました。
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(4)教員と大学院生の研究業績: |
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◆学術雑誌での論文発表
- Ogawa, S. 2006. “Earning among the Friends; The Historical Change of Business Practices and Creed to Urban Life of Petty Traders, Machinga, in Tanzania.” African Studies Quarterly, No. 9 (Online Journal)
- 小川さやか2007「タンザニア都市古着商人の商慣行の変容にみられる平等性と自立性」『アジア・アフリカ地域研究』(印刷中)
- 近藤史2007「タンザニア南部高地における造林焼畑の展開」『アジア・アフリカ地域研究』(印刷中)
- Ogawa, S. 2007.“The Trade of Second-Hand Clothes in the Local-Mega City Mwanza, Tanzania: With Special Reference to the Social Networks of Mali Kauli Transaction.”African Study Monograph, Supplementary Issue, 34. (印刷中)
- Nindi, S. J. 2007. “Changing Livelihoods and the Environment along Lake Nyasa, Tanzania: An Attempt to Understand.” African Study Monograph, Supplementary Issue, 34 (印刷中)
- Mhando D. G. & J. Itani, 2007. “Farmers’ Coping Strategies with the Changes of Coffee Marketing System after Economic Liberalization: The case of Mbinga District, Tanzania.” African Study Monograph, Supplementary Issue, 34. (印刷中)
- Itani, J. & M. Kakeya, 2007. “Potential of ‘Indigenousness’ Reconsidered: A Perspective on Rural Development.” African Study Monograph, Supplementary Issue, 34 (印刷中)
- Itani, J. 2007. “Effects of Socio-Economic Changes on Cultivation Systems under Customary Land Tenure in Mozi District, Southern Tanzania.” African Study Monograph, Supplementary Issue, 34. (印刷中)
- Kato, F. 2007 “The Developing Process of Rice Growing Area and Farmer’s Management in Kilombero Floodplain, Tanzania.” African Study Monograph, Supplementary Issue, 34. (印刷中)
◆商業誌での論文発表
- 柳澤雅之、小川さやか、2006「第四章 フィールドでインタビューする」京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科・東南アジア研究所編『京大式フィールドワーク』NTT出版、57−74
- 小川さやか、2006「タンザニアにおける古着規制とアジア製衣料品の流入急増による流通変革」吉田栄一編『(仮題)押し寄せるアジアの波』アジア経済研究所(印刷中)
◆ 国際ワークショップにおける発表
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Ogawa, S. 2006. Between Equality and Self-help: Political Change and Economic Strategies of Small Scale Trader Machinga in Urban Tanzania. International Workshop on Contemporary Perspective on Moral Economy: Africa and Southeast Asia, Imadachi Mokusei Kaikan, Fukui, 7-9, October, 2006.
- Ogawa, S. 2006 “Artfulness at Manipulating Social Familiarity: The Change in Business Practice among Petty Trader in Urban Tanzania” Workshop on Whose Creative Energy: Action and Reflection on the Construction of Value, 21 COE International Symposium, Kyoto University, Kyoto, 9-13 November 2006.
- Nindi, S. J., Partnerships in Promoting Endogenous Development and a Moral Economy: Lessons from the Matengo Society, Tanzania, 21 COE International Symposium, Kyoto University, Kyoto, 9-13 November 2006.
◆学会発表
- 伊谷樹一・掛谷誠2006在来性のポテンシャル」再考 −農村開発への一視点、日本アフリカ学会第43回学術大会
- 近藤史2006タンザニア南部高地における造林焼畑の展開、日本アフリカ学会第43回学術大会
- 荒木美奈子2006地域開発と「在来性のポテンシャル」−タンザニア南西部マテンゴ高地における開発プロジェクトの事例から、日本アフリカ学会第43回学術大会
- 神田靖範2006半乾燥地における水田稲作の浸透プロセスと民族の共生−ボジ県ウソチェ村の事例、日本アフリカ学会第43回学術大会
- 黒崎龍悟2007「タンザニア南部における農民グループ協議会の形成をめぐる諸相―小農によるコーヒー産地の事例」第12回生態人類学会研究大会
◆研究会・シンポジウムにおける発表
- 小川さやか2006「タンザニアの繊維産業育成政策と古着の輸入規制をめぐる動向」第2回起動研究会『アフリカの地域産業をめぐる環境の変化』於、千葉、アジア経済研究所、2006年10月27日
- 黒崎龍悟2007「何が視点を変えるのか:開発の実践者/研究者としての経験をとおして」『実践的地域研究の可能性:若手研究者からの提言』魅力ある大学院教育プログラム公開シンポジウム、2007年2月3日
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