Zambia Field Station
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セッション1
農業技術からみる「土地」の利用 →セッション概要
コメンテーター(半澤)
セッション全体へのコメント
環境が厳しいところでの農業、トウモロコシに偏るザンビアの中で、ソルガム、キャッサバとマイナークロップに焦点をあてた研究という点で特色もある。これらの作物がいかに地域の生態に即して栽培されているか、農業技術に焦点をあてながらまとめていることは注目すべきことである。
質問1
 トウモロコシに対して住民はどのように感じているのか?
淡路回答
 住民、特に若者の中には、ソルガムよりもトウモロコシを好む人も多くいる。トウモロコシは、ソルガムよりも都会的で素敵な食べ物として認識されていると思う。
村尾回答
 トウモロコシは住民にとって、間食としての楽しみの品であり、またぜいたく品でもある。住民は移住前からトウモロコシを栽培していたが、もともとトウモロコシを粉にして練り粥に調理したものを食べる習慣がなかった。彼らはトウモロコシを青取りしてゆでて食べるのが普通である。移住後の現在、屋敷畑を耕作してトウモロコシをつくり、平日や休みの日の間食、朝食や昼食として利用する。またぜいたく品というのは、彼らはキャッサバとトウモロコシを混ぜて作る練り粥が好物であるが、その粉は購入して食べている。練り粥用に乾燥させて保存する家庭もあるが、ほとんどの世帯では青取りして間食に食べてしまうためである。
質問2
 どのような政策提言が可能か?
淡路回答
 今回の発表では、農業政策の一環として導入された耐乾性品種が、作付体系の中で上手く機能していないという実情を明らかにしたが、このように、単に改良品種を導入するのではなく、その有効な特性が生きるような作付体系の指導や、導入する地域の農業を詳しく調査し、どうしたら受け入れれれるのかをもっと検討する必要があると思う。
村尾回答
 ザンビアは近年、これまで力を注いで奨励してきたトウモロコシ以外の作物にも注目し始めている。そのなかにキャッサバも含まれている。干ばつなどが頻発する地域への食糧不足の対策が急がれる中、今後も本研究が貢献する領域も多少あるといええうだろう。
質問3
 マイナークロップの品種改良の現状は?
淡路回答
 今回紹介したkuyumaは、エチオピアの品種を用いてICRISATで育種され、ザンビアの農業試験場の元で1980年代にリリースされたものである。調査村のある南部州では、1990年代初頭に普及員によって普及が進められ、調査村では、1995年に導入された。
村尾回答
 キャッサバについて、国が品種改良をすすめている段階にある。しかし西部州のキャッサバについては聞かない。
質問4
 村長からリンボの長への土地分配は具体的にどのようにおこなわれているか?
村尾回答
 村長とリンボの長の間である程度の交渉がおこなわれたのち、農地が決定される。

質問者 1
コメント
 鳥追いのための労働力の確保が他の地域では問題となっており、トウモロコシへの転換の一要因になっているというザンビアの現状がある。
質問1
 カリバダム建設による再定住によって、農業は変化したのか?
淡路回答
 調査村の付近には、カリバダム建設による再定住村が存在するが、調査村は再定住以前からあった村である。ただし、再定住が進んだことで、人口が爆発的に増加し、それによって現在は土地不足が問題となり、それに伴って農業生産の安定性が失われつつある。
質問2
 品種といっているのはどのような分類に基づいたものか?人びとの認識などはどうか。名前の由来などはあるか?
村尾回答
 民俗認識に基づいたものである。名前の由来は人名や同じ色のものなどの名詞がつけられる。

質問者 2
質問1
 淡路へ:ひこばえの栽培はどのくらい可能か?
淡路回答
 数年間生育が可能だが、実際は数年経つと分けつ数が増え、茎が細く、登熟も悪くなるため、そのようなひこばえが増えた畑は、牛耕をするなどして対応している。
質問2
 淡路へ:どのような鳥追いが行われているのか?
淡路回答
 日中、畑に常駐し、投石や太鼓の音、大声などによって鳥追いを行っている。
質問3
 淡路へ:トウモロコシの利点として、長期保存が可能だという点があるが、ソルガムも長期保存されるのか?されるのであれば、どのような貯蔵庫を用いるのか?
淡路回答
 調査村で見られた品種の中には、長期間の保存でも味が変化しないという品種がいくつかあった。また、保存は、高床式の穀倉を用いており、1世帯に1つ程度ある。実際は、長期間保存するほどの余剰は収穫できない。
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日時:2006年2月18日 10:30 - 
場所:東京外国語大学本郷サテライト
共催:南部アフリカ研究会
共催:日本アフリカ学会関東支部

発表者感想
プログラム
総合討論

開催に際して

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