:: 平成17年度 フィールド・ステーション年次報告

ラオス

  (1)フィールド・ステーションの整備:
   

ラオス国立大学林学部研究棟の1階に部屋を借り受けてコンピューター1セットと作業机、本棚、標本棚を置き、現地に派遣される教員・学生が活用しています。この連絡事務所には2004年度から増原善之(COE研究員)が常駐しています。
2005年度は当プログラムでの教員派遣はありませんでしたが、ラオス・スタディ・ツアーに岩田明久(ASAFAS)、竹田晋也(ASAFAS)の2名が同行するなど、多くの教員が別途資金により現地を訪れました。
LFSは、アジア・アフリカ地域研究研究科・東南アジア研究所のみならず、人間・環境学研究科、文学研究科、農学研究科、霊長類研究所などの教員・院生の研究拠点として全学的に活用されています。

 
   
  (2)大学院生の派遣とオンサイト・エデュケイションの成果:
   

バンコクで開催された京都大学国際シンポジウム“Coexistence with Nature in a ‘Glocalizing’World −Field Science Perspectives−”の後、ラオス・スタディ・ツアーを開催し、安達真平(平成12年度入学:東南アジア地域研究専攻) 、伊藤義将(平成15年度入学:アフリカ地域研究専攻)、風戸真理(日本学術振興会特別研究員・アフリカ地域研究専攻)、近藤史(平成11年度入学:アフリカ地域研究専攻)、内藤大輔(平成15年度入学:東南アジア地域研究専攻)、八塚春名(平成15年度入学:アフリカ地域研究専攻)、飛奈裕美(平成15年度入学:東南アジア地域研究専攻)の7名が参加しました。
学生派遣:2004年度に当プログラムの資金によってLFSに派遣した学生は、吉田香世子(平成13年度入学)、Anoulom Vilayphone(平成15年度入学), Suphawat Laohachaiboon(平成15年度入学)の3名でした。
これまでに、LFSを活用し、臨地教育支援をおこなった大学院生および研究テーマは、以下のとおりです。

  • 小坂康之(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)「サバナケート県における農業・土地利用システムと二次植生の遷移」
  • 黒田洋輔(同上)「ラオスの野生イネの自生地保全に関する研究」
  • Thatheva Saphangthong(同上)「Land use systems in the Northern Laos」
  • Anoulom Vilayphone(同上)「Valuation of non-timber forest products and forest management practices of Kham people」
  • Souksompong Prixar(同上)「Village forest management after land and forest allocation in Laos」
  • Soulaphone Inthavong(同上)「Study of Agricultural Technology Dissemination and Impacts on Traditional Farming in Laos」
  • 松浦美樹(同上)「ラオス北部における森林資源の希少化への住民の対応」
  • 山本麻紀子(同上)「メコン河流域開発における調整メカニズムの可能性」
  • 吉田香世子(同上)「ルー族研究」
  • 広田勲(京都大学大学院農学研究科)「ラオス北部における焼畑耕作システム」
  • 中辻享(京都大学大学院文学研究科)「ラオス焼畑村における土地利用」

 
   
  (3)現地研究機関との共同研究の状況:
   

京都大学(ASAFAS・CSEAS)・ラオス国立大学共同研究プロジェクト「在地の知識−過去、現在、未来−」を開始し、予備調査(2005年8月31日〜9月4日)、第1回現地調査(2005年10月23日〜30日)、第2回現地調査(2006年2月22日〜3月1日)をおこないました。
  それと同時に、ランサーン王国行政文書群の調査(増原)、南部サバナケート県の農地・森林における植生調査(小坂、サイサナ)、同県の魚類相と漁労に関する調査(岩田)、同県の在来農法に関する調査(安藤、スラポン)、北部ルアンナムター県の非木材林産物利用の調査(アヌロム、竹田)が進行中です。

 
   
  (4)セミナー、ワークショップなどの実施状況:
    LFSはカウンターパートであるラオス国立大学林学部および同大学ラオス・日本人材開発センター(通称「ラオス・日本センター」)との共催により、日本人研究者がラオス国立大学の教員や学生らを対象に自らの研究成果をラオス語で発表するという催しをおこなっています。平成17年度には第3回発表会(2005年5月18日)増原善之「ラーンサーン王国の繁栄は何によって生み出されたか?−16〜17世紀のラオス経済史−」と第4回発表会(2005年12月14日)吉田香世子「在地の知識−農村における助け合い−」を開催しました。
「ラオス国立大学農学部・林学部最優秀卒業論文集第1巻」を出版し、同大学の全学部・関係部局をはじめ、スパーヌウォン大学、チャンパーサック大学、ラオス農林省の関係部局・研究所および全国の県農林局など40以上の機関に配布しました。これと関連して開催された卒業論文最優秀賞授与式の模様はラオスの全国紙でも取り上げられました。
 

>> 平成17年度教員・若手研究者の報告
>> 平成17年度大学院生の報告
平成17年度 フィールド・ステーション年次報告

インドネシア(ボゴール) インドネシア(マカッサル) エチオピア カメルーン ケニア ザンビア タンザニア ベトナム マレーシア ミャンマー ラオス 西アジア 南アジア
 
21世紀COEプログラム「世界を先導する総合的地域研究拠点の形成」 HOME