:: 平成15年度 フィールド・ステーション年次報告 | |||||
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エジプト | ||||
(1)概要: | |||||
◆2003年度には、フィールド・ステーションの活動基盤を整備して、教員、院生のフィールドワークをおこなうとともに、カウンターパートのカイロ大学政経学部アジア研究センターとの協力関係にもとづいて、共同研究を実施しました。また、西アジアへの広域的な展開を視野に入れて、トルコの大学との提携・協力について協議をおこないました。 |
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(2)カイロ・フィールド・ステーション: | |||||
◆2002年度末の2〜3月にはカイロ・フィールド・ステーション代表の小杉泰がカイロに出張して、現地で調査中の大学院生・横田貴之(平成12年度入学)とともに、フィールド・ステーションのカイロ基地として2002年1月から借りているフラットの整備をおこないました。家具付きのフラットを借り、衛星テレビの受信装置、デジタル版の日本語の種々の辞事典をインストールしたコンピュータ、アラビア語の基本的な辞事典および基本文献などを設置し、調査活動の基盤整備をしました。衛星テレビについては、その映像を適宜録画して、臨地研究のための語学研修を日本で行なう際に用いるようにしました。 ◆このフィールド基地は、21世紀COEの資金によって派遣された横田貴之と新井一寛(平成13年度入学)、別な資金でフィールド調査に出かけた上木原理英(平成14年度入学)、臨地教育のためにでかけた2名の教員(東長靖、小杉)によって利用されました。2003年度は施設を十分活用し、所期の目的を達成したと言えます。 |
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(3)院生派遣: | |||||
◆本プロジェクトの資金を用いて、横田貴之と新井一寛が、それぞれ2003年夏から2004年春まで派遣されました。横田は、ムスリム同胞団、ワサト党などを中心に草の根イスラーム復興について、新井は、いくつかのスーフィー教団の調査を精力的におこないました。また、別な資金でかけた上木原理英も、フィールド・ステーションを活用して、宗教儀礼の社会的意味について臨地調査をおこないました。 | |||||
(4)教員派遣とオンサイト・エデュケーション: | |||||
◆2003年6〜7月に、小杉が別なプロジェクトでカイロに出張し、フィールド・ステーションのケアをするとともに、カウンターパートのカイロ大学政経学部アジア研究センターの全面的な協力を得て、国際ワークショップ「イスラーム世界の中道派:その理念および国内的・国際的アジェンダ」を開催しました。この成果は、2004年秋に刊行が予定されている『イスラーム世界研究』に掲載される予定です。 ◆2003年12月〜2004年1月には、東長がフィールド・ステーションに出張し、「タリーカ(スーフィー教団)の宗教実践と理論の相互関係」に関する臨地調査をおこないました。また、2人の院生に対するオンサイト・エデュケーションもおこないました。具体的には、調査対象のインフォーマントに対するインタビュー訓練、アラビア語エジプト方言およびアラビア語古典文献についての小研究会の開催などです。 |
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(5)今後の計画: | |||||
◆カイロのフィールド・ステーションは、2002〜2003年度において、規模は小粒ながら大きな成果を収めました。2人の院生の臨地調査の成果も、近々公に発表される予定です。西アジアは広域なので、エジプト1カ国だけに集中しているわけにはいきません。そこで、アラブ世界・トルコ世界・イラン世界を包括する西アジア・フィールド・ステーションに拡大継承することをめざします。そのため、2004年度には、同じアラブ圏のシリア、そしてトルコにもフィールド・ステーション活動を展開しようとしています。 ◆2003年度の出張の際には、東長がトルコにおいて、アンカラ大学およびマルマラ大学との研究・教育連携ならびにFS開設のための話し合いをおこないました。2004年度は、この拡張計画に沿って新しい展開を考えています。 |
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(6)国際交流: | |||||
◆エジプトのカイロ大学との提携・協力関係は、実質的な成果をあげています。MOUの締結についても、2002年度にすでに合意に達していますが、それなりに広報の効果があがるように調印式をおこないたいとの考えから、実際の協定の締結はこれまで延期されています。2003年10月および2004年2月には、カイロ大学教授でカウンターパートの責任者であるセリーム先生が来日され、小杉が同教授と種々の共同プロジェクトについて協議をおこないました。 ◆エジプトでは、カイロ・アメリカ大学とも実際的な協力をおこなっています。 ◆カイロ・アメリカ大学およびマルマラ大学からは、教員各1名を、2004年3月に日本中東学会が主催した国際ワークショップ(東京)に招待しました。ワークショップは大きな成功をおさめましたが、両大学との協力関係も順調に構築されつつあると言えます。 ◆トルコにおいては、東長が中心となって、アンカラ大学、マルマラ大学、ウルダー大学、チャナッカレ大学などとの連携を推進しています。アンカラ大学、マルマラ大学とは、フィールド・ステーション設置について、協議をおこなっています。 |
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(7)成果の発表: | |||||
◆論文など
◆口頭発表
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