:: 平成15年度 フィールド・ステーション年次報告
ベトナム
  (1)フィールド・ステーションの整備:
    ベトナム南部、ニャチャンにあるベトナム国立物質科学研究所ニャチャン支所では、今回の21世紀COEプログラムが開始される以前から、研究室や作業室を利用することが可能であり、コンピュータや顕微鏡、水中ビデオハゥジング等の調査機器も整備されています。また、ハノイ大学マングローブ研究所も日本の研究者が調査を実施する際のカウンターパート機関として機能しています。岩田明久(ASAFAS教員)は、平成15年度にはベトナムにおいて新たなフィールド・ステーションを開設する可能性をさぐるため、この地域において前者の機関と共同で研究を行っている筒井功(ASAFAS研修員)、後者を窓口に調査を行っている鈴木伸二(ASAFAS大学院生、平成12年度入学)と綿密な連絡を取り合いながら、その設置場所と規模、そのフィールド・ステーションに期待される機能等について検討してきました。その結果、各自の調査地域が異なること、各自がすでに異なるカウンターパートと共同研究を開始していることなどの理由により、今後、調査研究の拠点として新たな研究機関にフィールド・ステーションを新設するのではなく、現行の状態で調査研究を継続し、また、今後のベトナムでの活動は学生派遣を中心に考えるという結論に至りました。
 
   
  (2)学生の現地調査:
    筒井功は、ベトナムの海藻の生態とその利用に関する研究で平成14年度に博士号を取得しましたが、平成15年度には、21世紀COEプログラム以外の研究助成金を受けて、引き続き同様のテーマでベトナム南部のニャチャンを中心に10カ月間の現地調査を行いました。そして、その結果を平成15年度日本藻類学会年会で発表しました。また、鈴木伸二も、21世紀COEプログラム以外の研究助成金を受けて、ベトナム最南端のカーマウ省において現地住民のエビ養殖と水産物利用およびその変遷をテーマとして、11カ月間の現地調査を実施しました。  
   
  (3)共同研究:
    筒井功は、ベトナム国立物質科学研究所ニャチャン支所と共同で上記の研究を遂行しており、特にその結果の一部を「南ベトナムの海藻類」という図鑑において共同執筆・出版し、えられた知識を現地に還元する予定です。鈴木伸二もまた、ハノイ大学マングローブ研究所と上記の内容で共同研究を実施しており、その結果をまとめて博士号取得を目指すとともに、学術雑誌などに順次、成果を公表してゆく予定です。  

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平成15年度 フィールド・ステーション年次報告

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