:: 平成15年度 フィールド・ステーション年次報告 | |||||
マレーシア | |||||
(1)フィールド・ステーションの整備: | |||||
◆わたしたちは、2003年8月に21世紀COEプログラムによるバンギ・フィールド・ステーション(以下、バンギFS)をマレーシア国民大学マレー文明・世界研究所(ATMA)の4階に設置しました。バンギFSは、マレーシア、シンガポールにおけるASAFASおよびCSEASの学生・教員の臨地調査、臨地教育の拠点として、またマレーシア国民大学とASAFAS、CSEASの学術交流の場として使用されています。設備としては、作業机、応接用テーブル、書架、コンピュータ(デスクトップ1、ノート1)、プリンタ、スキャナが備えられています。 | |||||
マレー世界・文明研究所(ATMA) | バンギ・フィールド・ステーション | ATMAでの話合い | |||
クアラ・トレンガヌでの臨地教育(1) | クアラ・トレンガヌでの臨地教育(2) | クアラ・トレンガヌでの臨地教育(3) | |||
(2)臨地調査と臨地教育: | |||||
◆大学院生の調査活動 バンギFSはASAFAS大学院生の調査支援を活動のひとつの柱としています。今年度は3名の大学院生がバンギFSを拠点として臨地調査や文献調査に従事しました。うち1人は21世紀COEプログラムの助成を受けています。各院生はATMAや国民大学の他の研究所の教員から、調査許可申請、資料検索および臨地調査に関する指導を受けました。調査の概略は以下のとおりです。
12月には、長津一史と加藤剛(ともにASAFAS教員)がトレンガヌ州とスランゴル州を訪問し、河野元子と加藤優子に対して臨地教育をおこないました。トレンガヌでは河野の調査村や漁業開発公社などにおいて、関係者から小規模漁業と海産物流通に関する説明を受けました。スランゴルでは、複数のマレー農村において公衆医療の現状、出産慣行や助産婦の役割の変化について村人から話を聞きました。これらの観察・聞き取りをふまえて、河野に対しては開発政策や地方行政制度を含むマクロな政治的文脈に位置づけて、調査地の社会経済関係を考察するべきであることを、加藤(優子)に対しては農村部のみならずタマンと呼ばれる新興住宅地に住むマレー人も対象として、比較の視点から出産にかかわる習慣や社会関係の変化を理解するべきであることをアドバイスしました。なお木谷公哉(CSEAS教員)と梅川通久(ASAFAS教員)は、国民大学コンピュータ・センターのイブラヒム講師から同大学のコンピュータ環境に関する情報提供を受け、バンギFSのインターネット等の使用環境を整備しました。 |
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(3)電子資料の作成: | |||||
◆バンギFSでは、下記の資料の電子化を進めています。以下の1の作業は、すでに完了しています。電子資料は、近日中に開設予定のバンギFSのホームページで徐々に公開し(学内専用)、同時にATMAのポータルサイトPADAT
(Malay World Studies Database)に提供していきます。
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(4)連携ワークショップ: |
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◆長津はASAFAS教員の杉島敬志とともに、ジャカルタのインドネシア科学院(LIPI)においてフィールド・ステーション連携ワークショップを開催しました。ワークショップの午後のセッション“Everyday
Life and Policing in the Wallacean World”では、長津と河野が研究報告をおこないました。報告のタイトルは以下のとおりです。
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フィールド・ステーション 連携国際ワークショップ(1) |
フィールド・ステーション 連携国際ワークショップ(2) |
フィールド・ステーション 連携国際ワークショップ(3) |
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>> フィールド・ステーション活動状況:平成15年10月現在 >> 平成15年度教員・若手研究者の報告 >> 平成15年度大学院生の報告 |
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平成15年度 フィールド・ステーション年次報告 |